ポップスなら
「わかりやすい曲調にしたい。三和音を多めにしよう。」
「解決しないモヤモヤ感を出したい。ここの音程は繋留音にしておこう。」
「少し複雑な心境を表現したい。強拍に非構成音の音程を使おう。」
と、その楽曲の旋律や音程には必ず意味が付けられています。いちいちそう考えていなくても、後で分析するとそういうのがすぐにわかってきます。ということはつまり、分析できる音楽理論の知識を学べばすぐに意味を発見できるのです。作曲という行為自体に意味付けをしていったのですね。
これはいわば極端な考え方ですが、僕にとっては大事なことでした。
対位法との出会い
本屋でたまたま見かけた
「コード&メロディで理解する 実践!やさしく学べるポピュラー対位法」
彦坂 恭人 著
というポピュラーな対位法の本を読んで、独立する旋律を調和させることの面白さを知ります。これは重要な出会いです。
その後はより専門的な
「ケルビーニ 対位法とフーガ講座」
ルイージ・ケルビーニ著 小鍛冶邦隆 訳
を読み、より造詣を深めました。といっても、比較的に自由な三声の自由対位法ぐらいが限界です。
模倣
対位法は模倣するので、当然模倣という意味付けが生じるのです。
おかげで僕は常に意味付けが可能になりました。しかも、対位法はどんな音楽ジャンルでも用いることができるため、俄然作曲に対する意識は高まります。
模倣もやりすぎるとしつこさが出てきて「模倣している」という新鮮味が薄まるので注意が必要ですが、オーケストラの場合はそれがまた味わいになったりするので面白いです。