考察や雑記。

音楽

音楽 打ち込みはどのような表現なのか

今回は、自分にとって馴染みのあるTR-909や8bit音源を材料に、打ち込みの表現性を考察していく。 TB-303とTR-909 TB-303はベースの代替的商品、つまりベースという「役割」の代わりとして販売された。使いにくさから普及はしなかったが、後年になって音色・…

「作曲において、音楽理論は必要か?」論争は、なぜ不毛になるのか 【その1】

「特殊」を一般化すると不毛になりやすい 音楽理論を知らないで作曲している人も確かにいるし、もちろん、それでも良い曲を作る人はいる。これは特殊な場合だが、特殊を拡大して一般・普遍化すると、「理論を学んだ場合の作曲」と「そうでない場合の作曲」が…

初学者におすすめの音楽理論書3

彦坂恭人 著 「コード&メロディで理解する 実践!やさしく学べるポピュラー対位法」2015年 複数の旋律を、それぞれ独立させながらも、それでいて調和するよう体系立った規則に沿って、組み合わせていく技法を対位法という。これだけでは何のことだかさっぱ…

初学者におすすめの音楽理論書2

清水響 著 「コード理論大全」2018年 勉強が苦手で嫌いな自分が言うのも恥ずかしいが、ある理論を暗記的に捉えるよりも、法則や連関等によっておのずと導かれる合理的な答えを探った方が、実りがあることが多い。暗記的勉強はある答えを一面的・固定的に捉え…

初学者におすすめの音楽理論書1

侘美秀俊 著「DTMによるオーケストレーション実践講座」2005年 管弦楽の理論関連の書籍は「難しい」「わかりにくい」というよりも、具体的にいえば「その理論・技法等がどのように実践されているのか、なんだか想像がつかない」だと思われる。 だが、この本…

音楽理論「必要?不要?」の議論はなんで不毛になる?その2

その1はこちら 前回の例2で、音楽理論を学んでいないCさんは 「あの有名なミュージシャンはほとんど音楽理論を学んでいないらしいが、作曲も演奏も素晴らしい。」 「だから、私にもきっと出来るだろう。」 と思い込んでいました。さて、この有名なミュージシ…

音楽理論「必要?不要?」の議論はなんで不毛になる?その1

すごく当たり前のことだけど… 抽象化すると… 例1 例2 すごく当たり前のことだけど… Aさんはギターの奏法とコード進行の理論を学び、ポップスの様式や手法を用いながらポップスを重点的に制作しています。 Bさんは和声、対位法、楽式、オーケストレーション……

なぜ音楽理論を学ぶのか。その2

その1はこちら ポップスなら 「わかりやすい曲調にしたい。三和音を多めにしよう。」 「解決しないモヤモヤ感を出したい。ここの音程は繋留音にしておこう。」 「少し複雑な心境を表現したい。強拍に非構成音の音程を使おう。」 と、その楽曲の旋律や音程に…

なぜ音楽理論を学ぶのか。その1

僕は10代後半から「あらゆるものに意味は付与される。」または「人間は便宜的に、あらゆるものに意味を付与する。」と考えてきました。 つまり、「この世界に存在するあらゆる物体は必ず意味性やカテゴリー、概念などに収められて存在し、意味のないものはな…

演奏がうまい人は、楽器と合体している?

楽器を演奏しない人にもわかりやすく… 一例 難しい演奏の場合 義肢 自分は一切楽器ができないので、詳しくはわかりませんが…(説得力に欠けて申し訳ない) たとえば優れた奏者はフルートを吹くとき、いちいち「このキーを押さえる…」とは考えないと思います…

打ち込みより、生演奏の方が優れているのか。

生演奏にも、色々な種類があります。「録音の生演奏」あるいは「コンサートやストリードライブでの生演奏」など。 本記事では、「録音の生演奏」を指して説明していきます。 DTMにおける打ち込み 相互浸透 リアルが足かせとなるときもある 生演奏を対象化す…