考察や雑記。

アトピーは民間療法より、標準治療を。

 自分は数年前まで、重度のアトピー性皮膚炎でした。0歳から発症し、20数年間共にしています。

思い出すだけでもキツイので、ここらへんの経験は深く語る気が起こりません。その頃は毎日痛みと痒みと嫌悪感が全身で渦巻いており、日常生活が著しく制限されます。

人目に出るのも億劫になりますから、身体的にも精神的にも根こそぎえぐられます。学業も家事も、成人してからは仕事もうまくこなせず、つらい日々でした。

現在はコントロールできるようになって、軽度の状態を維持できております。もちろん、油断は禁物です。いつも肌の感覚には気を使っています。皮膚は友達さ。(キャプテン翼

ツイッターにて。

さて、本題なのですが今朝はツイッターでこのようなことを呟いておりました。

1

ステロイドなんかの根本にあるのは現代医療への不信感、医者への不信感、科学への不信感だと思うな。結局、自分にとって信じられる治療法しか人間は選びません。こうなると、傍から見れば明らかに危険なことも出来てしまうんですよ。

2

民間療法を通じて知り合ったものたちは、皆同じような境遇にあるので宗教のような共同体を形成することがある。ある共同体に帰属すると人間安心するじゃないですか。だから、たとえ間違った治療法でも行ってしまうんですよ。

ステロイド

ステロイドとは、ステロイドを忌避して勝手に使用を断ってしまうことです。そうすると当然炎症は燃え上がる一方ですから、どんどん悪化していきます。

ただ、1の「脱ステロイドなんかの根本にあるのは現代医療への不信感、医者への不信感、科学への不信感だと思うな。」とあるように、強い不信感に駆られてステロイドを断ってしまう方が未だに多くいるようです。いや、ネットがある今こそ最盛期かもしれません。

当時僕も脱ステロイドというワードを目にし、ステロイドのせいでここまで悪化しているのか?と疑心暗鬼になり、試しに実行してみました。当然数日ステロイドを塗布しないだけでも、どんどん炎症が悪化していくので、すぐに脱ステロイドという民間療法は中止ました。ステロイドは適切に塗布しなければなりません。

中にはこれで良くなったという方もいらっしゃるようですが、まず成功者自体がごく一部です。このごく一部の成功例というのはしばし喧伝されてよく目立つので、これを見た患者はまるでやめるだけで治るような気分になるのです。

その脱ステロイドをしている期間は非常につらい日々です。身動きも取れないですし、自分の下から貴重な時間と人が去っていきます。

標準治療が大事

基本的に、どんな病でもまずは標準治療です。今までに最も培われたきた標準治療を頼るのが最善です。

その上で環境や食、生活規則の改善と継続。根拠のない治療法を安易に進めてこない頼れる家族、友人。大人であれば仕事を一旦セーブするなど、大きな変革が求められるかもしれません。

ステロイドを続けてしまう人

「どうしてもステロイドが怖い」という人や「これこそ、自分の人生にとって最善の治療法なんだ」と信じて疑わない人は、なかなか抜け出せません。脱ステロイドがもはや人生の一部となっている可能性があります。

そして2の「民間療法を通じて知り合ったものたちは、皆同じような境遇にあるので宗教のような共同体を形成することがある。」ですが、

共同体の中に属しているとき、「やはりステロイドを塗布しようかな?」と思っても、周りが止めてしまう可能性があります。もし塗布を再開した場合、その共同体から排斥される可能性だってあります。

ステロイドは社会的な問題

80~90年代にかけてのメディアのステロイドバッシングだったり、医師の塗布指導がいい加減だったり、ステロイドが市販薬として簡単に手に入るようなったり、時間に追われた過度なストレス社会だったり、食文化の変化だったり…。

悪循環なサイクルの一部だけに焦点を当ててみても仕方がありません。「脱ステロイド」は一種の反社会的運動だと思います。非常に根深く、難しい課題です。

僕もこれといった解決策はすぐには浮かびませんが、まずは標準治療から始めるべきだと思います。